eスポーツ選手契約書の条項例(ひな型)

eスポーツチームと選手との間の「eスポーツ選手契約書」の条項例(ひな型)をご紹介します。

○○(以下「チーム」という)と○○(以下「選手」という)とは、選手がチームのためにプロ選手としてeスポーツ活動を行うことに関し、次のとおり契約を締結する。

第1条 〔誠実義務〕

① 選手は、チームが加盟するリーグ、連盟等(以下「リーグ等」という)の諸規程を遵守するとともにチームの諸規則を遵守し、本契約を誠実に履行しなければならない。

② 選手は、プロ選手として自己の全ての能力を最大限にチームに提供するため、常に最善の健康状態の保持および運動能力の維持・向上に努めなければならない。

③ 選手は、プロ選手として公私ともにeスポーツ界の模範たるべきことを認識し、eスポーツの信望を損なうことのないよう努めなければならない。

第2条 〔履行義務〕

選手は、次の各事項を履行する義務を負う。

(1) チームの指定するすべての大会への出場

(2) チームの指定するトレーニング、合宿および研修への参加

(3) チームの指定するミーティング、大会の準備に必要な行事への参加

(4) チームにより支給されたユニフォーム一式およびトレーニングウェアの使用

(5) チームの指定する医学的検診、注射、予防処置および治療処置への参加

(6) チームの指定する広報活動、ファンサービス活動および社会貢献活動への参加

(7) 合宿、遠征等に際してのチームの指定する交通機関、宿泊施設の利用

(8) 居住場所に関する事前のチームの同意の取得

(9) 副業に関する事前のチームの同意の取得

(10) その他チームが必要と認めた事項

第3条 〔禁止事項〕

選手は、次の各事項を行ってはならない。

(1) チームおよびリーグ等の内部事情の部外者への開示

(2) 大会、トレーニングに関する事項(大会の戦略・戦術・選手の起用・トレーニングの内容等)の部外者への開示

(3) チームおよびリーグ等の承認が得られない広告宣伝・広報活動への参加または関与

(4) 本契約履行の妨げとなる第三者との契約の締結

(5) チームの事前の同意を得ない、第三者の主催するeスポーツまたはその他の大会等への参加

(6) 大会の結果に影響を与える不正行為への関与

(7) その他チームにとって不利益となる行為

第4条 〔報 酬〕

チームは選手に対し、次の報酬を支払う。ただし、当該報酬には消費税を除く、所得税、住民税その他一切の税金を含むものとする。

(1) 基本報酬

 ・総額 金○円(○ヶ月分)

(月額 金○円 ただし、○月は○円 )

(2) 変動報酬、その他の報酬についてはチームと選手が別途合意した基準による。

第5条 〔費用の負担〕

選手がチームのために旅行する期間の交通費および宿泊費はチームが負担する。

第6条 〔疾病および傷害〕

選手は疾病または傷害に際しては速やかにチームに通知し、チームの指示に従わなければならない。

第7条 〔選手の肖像等の使用〕

① チームが本契約の義務履行に関する選手の肖像、映像、氏名等(以下「選手の肖像等」という)を報道・放送において使用することについて、選手は何ら権利を有しない。

② 選手は、チームから指名を受けた場合、チームおよびリーグ等の広告宣伝・広報・プロモーション活動(以下「広告宣伝等」という)に原則として無償で協力しなければならない。

③ チームは、選手の肖像等を利用してマーチャンダイジング(商品化)を自ら行う権利を有し、またリーグ等に対して、その権利を許諾することができる。

④ 選手は、次の各号について事前にチームの書面による承諾を得なければならない。

(1) テレビ・ラジオ番組、イベントへの出演

(2) 選手の肖像等の使用およびその許諾(インターネットを含む)

(3) 新聞・雑誌取材への応諾

(4) 第三者の広告宣伝等への関与

⑤ 第3項において、選手個人単独の肖像写真を利用した商品を製造し、有償で頒布する場合、または前項の出演もしくは関与に際しての対価の分配は、チームと選手が別途協議して定める。

第8条 〔チームによる契約解除〕

① 次の各号のいずれかに該当する事由が選手において発生した場合、チームは、選手に対し書面で通知することにより、本契約を直ちに解除することができる。

(1) 本契約の定めに違反した場合において、チームが改善の勧告をしたにもかかわらず、これを拒絶または無視したとき

(2) 疾病または傷害によりeスポーツ選手としての運動能力を永久的に喪失したとき

(3) 刑罰法規に抵触する行為を行ったとき

(4) 自らの責に帰すべき事由により、本契約の目的に支障をきたす6ヶ月以上の大会出場停止処分を受けたとき

(5) チームの秩序風紀を著しく乱したとき

② 前項に基づき本契約を解除したチームは、選手に対し、解除通知の発信した日の属する月までの基本報酬を支払うものとする。

第9条 〔選手による契約解除〕

① チームが、本契約に基づく報酬等の支払いを約定日から 14 日を超えて履行しないとき、選手は、チームに対し書面で通知することにより、本契約を直ちに解除することができる。

② 前項に基づき本契約を解除した選手は、本契約の残存期間分の基本報酬を受け取ることができる。

第10条 〔制 裁〕

選手につき次の各号のいずれかに該当する事由が発生した場合、チームは、選手に対し、戒告もしくは制裁金またはこれらの双方を課することができる。

(1) 出場した大会において警告、退場または出場停止の処分を受けたとき

(2) チームの指示命令に従わなかったとき

(3) チームの秩序風紀を乱したとき

(4) 刑罰法規に抵触する行為を行ったとき

第11条 〔有効期間および移籍〕

① 本契約の有効期間は、○年○月○日から○年○月○日までとする。チームおよび選手は、有効期間満了○か月前までに、有効期間経過後の契約について協議する。

② 有効期間内に、チームの承諾なく他チームへ移籍することは認められない。チームが移籍について承諾する場合、その条件はチームと選手において協議して定めるものとする。

第12条 〔修 正〕

本契約は、チームおよび選手の署名または押印ある文書によってのみ修正され得るものとし、口頭による修正は効力をもたないものとする。

第13条 〔準拠法〕

本契約は、日本法によって解釈されるものとする。

第14条 〔紛争の解決〕

本契約の解釈または本契約の履行に関してチームと選手との間に紛争が生じたときは、チームおよび選手が、その都度、誠意をもって協議の上解決する。

第15条 〔保 管〕

本契約書は同時に正本2通を作成し、チームの代表者および選手が署名し、それぞれ1通ずつを保管する。

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この記事を書いた人

〔経歴〕
京都大学 大学院法学研究科 法曹養成専攻修了

〔資格〕
弁護士
公益財団法人日本スポーツ協会公認スポーツリーダー

〔所属団体〕
日本弁護士連合会
京都弁護士会
中小企業法律支援センター運営委員会

〔メッセージ〕
日々努力と研鑚を重ね、常にプロフェッショナルとしての気概を持って、一つひとつの案件に誠実に取り組んで参ります。クライアントの皆様の具体的状況を的確に把握して深い洞察を提供し、皆様からの信頼により一層応えられるように尽力いたします。

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